AIに資料をアップロードしても安全か。決め手は3つの質問

簡潔な回答

AIへの資料アップロードは、3つの答えが揃えば安全と言える。サービスが学習に使わないこと、決められたスケジュールでファイルを削除すること、どの会社が受け取るかが分かっていることだ。無料版のChatGPTとClaudeはオプトアウトしない限り既定で学習に使う。Whiziはアップロードされたファイルを学習に使わず、最長30日で失効させる。

安全とは感覚ではなく、読める3つの答えのこと

資料は入力したただの質問文とは感じ方が違う。契約書、給与明細、取締役会資料といった中身がまるごと一度に渡ってしまうからだ。リスクが大きいという直感は正しいが、判断すべきは直感ではない。各ベンダーがポリシーの中で答えている3つの質問があり、その3つの答えが自分にとって納得できるものであれば、その資料はアップロードして安全だと言える。

サービスは学習に使うか。 無料版のChatGPTとClaudeは、オプトアウトしない限り既定で会話を学習に使う。AIチャットボットのプライバシー比較では各社の初期設定と変更時期を追跡している。Whiziのポリシーは一文で言い切っている。「Whiziは、あなたのプロンプト、ファイル、会話、音声書き起こし、生成コンテンツを、Whizi独自のAIモデルの学習に使用しません。Whiziはこのコンテンツを学習データとして販売することもありません」。

どれくらいの期間保持されるか。 Whiziはアップロードされた添付ファイルを最長30日で失効するよう設定しており、ファイル単体や会話全体をそれより早く削除することもできる。OpenAIのAPIは、オプトインしない限り送信内容を学習に使わず、不正利用監視用のログは既定で最長30日保持する。無料版のチャット製品は、削除しない限り会話が存在する間はアップロードしたファイルを保持し続ける。

他に誰が受け取るか。 モデルの前段にあるすべてのチャット製品は、資料をそのモデルの開発元に送信する。Whiziでは、Claude宛のメッセージに添付したファイルはOpenRouterを経由してAnthropicに届き、GPT宛のメッセージに添付したファイルはOpenAIに届く。選んでいないモデルには何も送られない。Whiziは、リクエストがプロバイダーの学習対象から除外されるようOpenRouterのデータ収集フラグを設定してAPIトラフィックをルーティングしているが、プロバイダー側が自社のポリシーの下で一時的なキャッシュを保持する可能性は残る。Whiziは万能なゼロ保持設定を謳っているわけではなく、他社もそう謳うべきではない。

モデルが実際に目にするのは資料のどこまでか

どんなポリシーの一文よりもリスク像を変える事実が一つある。モデルは大きな資料を丸ごと読むことはない、という点だ。Whiziはカタログ上のすべてのモデルに対し、1ターンあたり4万入力トークン、普通の文章でおよそ80ページ分という一律の予算を与えており、それを超えるアップロードは打ち切られた箇所にトーストとメッセージ内マーカーを添えて切り詰められる。これは品質上の制限であると同時に、プライバシー上の制限でもある。300ページの報告書のうち、あなたの端末から出ていくのはその予算に収まる部分だけだからだ。

60ページのデッキは1ターン4万トークンに収まるが、300ページの報告書は3分の1未満しか送られない
10ページの契約書約5,000トークン収まる60ページのデッキ約30,000トークン収まるWhiziの1ターンあたりの予算40,000トークン上限300ページの報告書約150,000トークン40,000で打ち切り1マスは5,000トークン、普通の文章でおよそ10ページ分

実務上の帰結は2つある。資料の中で機微な部分が200ページ目にあるなら、ファイル全体をアップロードしてもその部分が送られないことがある一方、195ページから205ページだけをアップロードすればまず確実に送られる。また資料がスキャンデータの場合、Whiziはサーバー側で一度ビジョン処理を通してページごとの書き起こしを作る。つまりテキストが存在する前に、モデルはそのページを画像として読むことになる。この処理がいつ発生するかはPDFとのチャットガイドで説明している。目的ごとに資料を分割し、必要な部分だけをアップロードすることは、資料アップロードガイドが精度のために推奨している方法でもあり、プライバシー上の露出も小さくなる。

どのベンダーでも通用しない資料

どれほどポリシーが優れていても、そもそもどのAI製品にも入れてはいけないファイルがある。リスクの所在がベンダーの取り扱いではなく、共有する許可そのものにあるからだ。

資料どこでも通用しない理由代わりにすべきこと
他者のNDAやクライアントのデータ処理契約の対象になっているもの支配するのはベンダーのポリシーではなくあなた自身の契約であり、第三者処理者への送信を禁じているものがほとんど黒塗りにする、クライアントに確認する、または契約内で使えるツールを使う
患者リスト、給与データ、顧客記録など他人の個人情報を含むファイルどこかに送るには適法な根拠が必要であり、「ポリシー上は学習に使わない」はその根拠にならない先に氏名と識別情報を取り除く。分析にはほとんど不要だ
認証情報:APIキー、パスワード、トークン、リカバリーコードキーが入ったファイルは、端末を離れた瞬間に漏えいしたキーそのものだ送らない。すでにアップロードしてしまったキーはすべてローテーションする
雇用主のポリシー下にある未公開のソースコードや製品計画露出するのはベンダーの規約ではなく雇用主側の規則だ承認済みプロバイダーのリストを確認する。マルチモデルのワークスペースなら承認済みのものにルーティングできる
自分自身の署名済み契約書、確定申告書、銀行明細3つの答えが揃っていれば安全になり得る。リスクは受け取り先リストにある必要なページだけをアップロードし、終わったらファイルを削除する

チャットに絶対入れてはいけないものの全リストと理由はAIチャットに絶対貼り付けてはいけないものにまとめている。この表を一言で表すルールは、下請け業者にメールで送れない資料は、アップロードもできないというものだ。

各ベンダーの答えを並べる

ベンダーとプラン既定でアップロードを学習に使うかアップロードの保持期間ファイルの受け取り先
ChatGPT、無料版学習設定をオフにしない限りYes会話とともに削除されるまで保持。削除された会話は30日以内に除去OpenAI
Claude、無料版2025年8月28日発表のポリシー変更以降Yes、オプトアウトあり学習を許可したアカウントは最長5年Anthropic
OpenAI APIオプトインしない限りNo不正利用監視ログは既定で最長30日保持OpenAI
WhiziどのプランでもNo最長30日で失効するよう設定。それより早く削除も可能OpenRouterと選択したモデルの開発元。ルーティングフラグによりプロバイダーの学習対象から除外

無料版の2行は特に読み返す価値がある。ほとんどの人が最も多く資料をアップロードするのがこの2つだからだ。両ベンダーとも学習をオフに切り替えられ、プライバシー比較にそれぞれの切り替え場所が載っている。ただしどちらの切り替えも、それ単独では保持期間を短くしない。OpenAIではチャットが存在する限りファイルは残り、Anthropicでは学習設定によって5年の保持期間が適用されるかどうかが決まる。

Whiziの行はプライバシーポリシーに書かれていることそのままだ。ファイルを削除しても、その内容について会話の中ですでに話し合われた部分までは消えない。つまり削除したくなるほど機微な資料は、会話ごと削除する価値があるということだ。ポリシーには別々の30日という数字が2つ登場する。アップロードは最長30日で失効するよう設定されており、削除されたデータベースのレコードはCloudflare D1のポイントインタイムリカバリの履歴に最長30日残ってから消えていく。どちらも即時消去を約束するものではなく、ポリシーは正確な失効時期を明記していない。処理者の全リストはWhiziがデータを保存する場所にまとめている。

大事な資料をアップロードするときの4ステップの習慣

  1. 3つの答えを確認する。 使っている製品について、学習・保持・受け取り先を確認する。書面に明記されていない項目があれば、最悪のケースとして扱う。
  2. 作業に不要な情報を取り除く。 氏名、口座番号、住所、識別情報は分析結果をほとんど左右しない上、取り除くのに1分もかからない。
  3. ファイルではなくページをアップロードする。 必要な部分だけの方が答えは鋭くなり、露出も小さくなる。4万トークンを超えた分はどのみち読まれることはない。
  4. 作業が終わったらファイルと会話を削除し、漏れた可能性のある認証情報はすべてローテーションする。

判断ルールはこうだ。ベンダーが3つの質問すべてに書面で答え、かつ自分自身の契約がそれを許すなら、その資料はアップロードして安全だ。この2つが両方揃わない場所では、どこであっても安全ではない。

チェックリスト
  • 最初のアップロードの前に、ベンダーの学習・保持・受け取り先に関する答えを読む
  • 他者のNDAの対象、他人の個人情報、認証情報は絶対にアップロードしない
  • 分析に不要な識別情報を取り除く
  • 資料全体ではなく、必要なページだけをアップロードする
  • 作業が終わったらファイルと会話を削除し、露出した可能性のあるキーはローテーションする

よくある質問

機密資料をChatGPTにアップロードしても安全か。

2つを確認した後なら安全だ。無料版ChatGPTは設定をオフにしない限り既定で会話を学習に使い、アップロードしたファイルは削除するまで会話と一緒に保持される。さらに、その資料を第三者に送ってよいかどうかは自分自身の契約が支配する。クライアントのNDAは、OpenAIのポリシーがどうであれ通常は禁じている。

AIはアップロードしたファイルを保持し続けるのか。

製品によって異なる。無料版のチャット製品は、会話が存在する限りファイルを保持し続ける。OpenAIのAPIは既定で不正利用監視ログを最長30日保持する。Whiziはアップロードされた添付ファイルを最長30日で失効するよう設定し、ファイルや会話をそれより早く削除することもできる。削除されたデータベースのレコードはCloudflare D1のリカバリ履歴に最長30日残ることがある。

Whiziはアップロードした資料を学習に使っているのか。

使っていない。Whiziのプライバシーポリシーには、プロンプト、ファイル、会話、音声書き起こし、生成コンテンツをWhizi独自のAIモデルの学習に使わず、そのコンテンツを学習データとして販売することもないと明記されている。ファイルはOpenRouterを経由して、選択したモデルの提供元だけに送られ、ルーティングフラグによってプロバイダーの学習対象から除外される。

AIはアップロードした資料を丸ごと読むのか。

長い資料の場合はそうではない。Whiziではカタログ上のすべてのモデルに対し、1ターンあたり4万入力トークン、普通の文章でおよそ80ページ分という一律の予算があり、それを超えるアップロードは打ち切られた箇所にトーストとメッセージ内マーカーを添えて切り詰められる。60ページのデッキ(およそ3万トークン)は収まるが、300ページの報告書は3分の1未満しか送られない。より良い答えと小さな露出の両方のために、必要な部分だけをアップロードすること。

AIツールに絶対アップロードしてはいけないものは何か。

他者のNDAやデータ処理契約の対象になっているもの、患者や給与記録など他人の個人情報を含むファイル、そしてあらゆる種類の認証情報だ。これらはどのベンダーでも通用しない。問題がベンダーの取り扱いではなく、共有する許可そのものにあるからだ。すでにアップロードしてしまったキーはすべてローテーションすること。

まだ質問がありますか?

ここに入力してください。アカウントの準備ができ次第、Whiziが回答します。