AIへの話しかけ方:空の入力欄に最初に何を書くか

チャット画面が開き、カーソルが点滅しています。最初に何を打てばいいのか、入れる価値のある4つの情報、そのまま使える10の書き出し、そして悪い回答を直す追加の一言を紹介します。

そこは検索ボックスではありません

カーソルが点滅しています。「ChatGPTにメッセージを送る」といった薄いガイド文が表示されていて、そのまま手が止まります。ちゃんとした質問らしいものが何も思い浮かばないからです。これはAIを初めて使う人のいちばんよくある体験で、あなたの能力とは関係ありません。見た目は検索バーそのものなのに、これまで使ってきたどんな道具とも動き方が違うのです。

ほとんどの人は最初、キーワードを打ちます。3語か4語、動詞なし、背景説明なし。20年の検索エンジン生活で身についた反射で、初日に手放す価値があるのはこの習慣だけです。検索ボックスがキーワードを求めるのは、ページを照合しているからです。チャットのモデルが文章を求めるのは、どんな仕事を任されたのかを読み取っているからです。もめずにジムを退会したいという実際の用事を、両方の書き方で並べてみます。

  • 検索クエリとして: ジム 退会 メール テンプレート
  • 依頼として: ジムを退会したいです。メールで送れる短くていねいな文章を書いてください。会員歴は2年、契約上30日前の通知が必要で、理由は書きたくありません。

前者が返すのは、空欄を自分で埋める汎用のテンプレートです。後者が返すのは、そのまま送れる文章で、通知期間はすでに織り込まれ、理由はあえて書かれていません。用事は同じ、入力は15秒ほど増えただけで、役立ち方がまるで違います。今週のちょっとした用事、返しそびれているメールや先延ばしにしている書類の記入などで、すぐ試してみてください。なお、どこかの時点で自信たっぷりに事実でないことを言ってきますが、それは最後の章で扱います。すべてが初めてなら、AIとは何かがその土台を、AIとGoogle検索の違いがどんな問いが今も検索向きなのかを説明しています。

最初のメッセージに入れる価値がある4つのこと

暗記すべき型はありません。大事なのは、あなただけが知っていることを書き添えることです。モデルはあなたの受信箱も、締め切りも、職場も、宛先の相手も見えていません。初日の朝に優秀な派遣スタッフへ仕事を引き継ぐ場面を思い浮かべてください。作業はできるのに、誰のための仕事なのかを誰も伝えていない状態です。

重みのほとんどは4つの情報が担っています。2つ入れるだけでも回答は変わりますし、4つそろえばもっとよくなります。

  1. してほしいこと。 動詞と成果物です。書き直す、要約する、計画する、比較する、説明する、下書きする。
  2. 誰のためか。 上司、取引先、大家さん、9歳の子ども、半年後の自分。
  3. どのくらいの長さか。 一文、一段落、5つの箇条書き、1ページ。指定しないと、たいていのモデルは誰も頼んでいない長さを選びます。
  4. あなただけが知っている事実。 日付、予算、これまでの経緯、そして文面には書けない事情。

実際のメッセージを、前と後で並べます。前:「遅延について チームにメールを書いて。」後:「6人のチーム宛てに、クライアントのローンチが3月3日から3月17日に動いたことを伝える短いメールを書いてください。3文、落ち着いた調子で、謝りすぎないこと。クライアントが要件を変えたことはみんな知っているので、そこは説明し直さないでください。」この差は気づかいではありません。6人という規模、2つの日付、そして相手がすでに知っていること。この3点があるだけで、あとから3往復ぶんの手直しが消えます。

価値が生まれるのは2通目からです

多くの人は1通送り、回答を読み、AIはすごいか使えないかのどちらかだと判断して、タブを閉じます。この一発勝負のくせが、がっかりの大半を生んでいます。最初の回答は、あなたに一度も会ったことのない相手が書いた初稿であり、チャットの意味はまさに返信できるところにあります。

会話はここまでの発言をすべて覚えているので、直すために最初の依頼を書き直す必要はありません。3語で足ります。よくある問題を片づける言い回しをそのまま使えるようにまとめました。

  • 長すぎる: 半分の長さに。前置きを削って、具体的な部分は残して。
  • かたすぎる: 仲のいい同僚に口で話すときの言い方にして。
  • 切り口が違う: それは[X]として書かれています。私が必要なのは[Y]としてです。その枠組みで書き直して。
  • でっち上げがある: そのうち私が伝えた部分と、あなたが補った部分はどこ? 補った方を並べて。
  • 自分の文章に聞こえない: 私が自分で書いた文章を2つ貼ります。企業っぽい調子ではなく、この声に合わせて。[自分の段落を2つ貼る]

4つ目は習慣にする価値があります。この仕組みは、答えを知っていてもいなくても流暢な文章を出すので、どこを補ったのか聞く方が、全文を自分で照合するより早く作り話をあぶり出せます。数字にも効きます。その数値の出どころを聞けば、「それは推定です」と正直に返ってくることがよくあります。ここに並べた直し方がどれも丁寧でないことにも気づいたはずです。ここでは丁寧さは任意です。次の回答を左右するのは、直す対象を具体的に名指ししているかどうかで、だから「もっとよくして」は何も起こらず、「最初の段落を削って」は毎回効くのです。

そのまま使える10の書き出し

今日あなたの机に実際にある案件と重なるものを選んでください。どれもそのまま貼り付けて、下に自分の材料を足す前提で書いてあります。

  1. このメールを、もっと短く、もっと温かく書き直して。依頼の内容ははっきり残して:[貼り付け]
  2. この書類をやさしい言葉で説明して。そのあと、私が心配すべき点を教えて:[貼り付け]
  3. [日付]に[人数]人の[イベント]を計画して。予算は[金額]。アイデアではなく進行表がほしい。
  4. [A]と[B]で迷っています。トレードオフの表を作って、そのあと私が見落としている点を教えて。
  5. [テーマ]をゼロから5分で教えて。途中2回止まって、私が理解できているか確認して。
  6. [相手]に[言いにくいこと]を伝えないといけません。やわらかく3文で下書きして。謝りすぎないこと。
  7. 最初の2行しか読まない人向けに、これを5つの箇条書きで要約して:[貼り付け]
  8. これを[言語]に翻訳して。親しみやすいけれど仕事にふさわしい調子で:[貼り付け]
  9. [判断]について私の考えを書きます。これに対する最も強い反論を組み立てて:[貼り付け]
  10. [作りたいもの]を書く必要がありますが、始め方がわかりません。まず私に4つ質問して、そのあと下書きして。

点滅したままのカーソルに効くのが10番です。白紙を短いインタビューとして相手に投げ返すのが、そこから抜け出す一番早い方法で、返ってくる4つの質問は、たいていあなたがまだ決めていなかった4つのことです。その日の調子に合わせて選べるストックが欲しければ、日常のタスクをAIでに1週間ぶん載っています。

回答が悪いとき、どうするか

悪い回答はでたらめに出るわけではありません。見分けのつく型がいくつかあり、それぞれメッセージ1通で直せます。

  • 自信満々の作り話。 存在しない統計、出典、規約、製品機能を、知っていることを話すときとまったく同じ調子で出してきます。直し方:確信のない主張すべてに印をつけてもらい、その部分を自分で確認します。出どころを自分の目で見ていない数字は絶対に他人に渡さないこと。AIが間違える理由が、その作り話がどこから来るのかを説明しています。
  • 無難な平均点。 内容は正しいのに、まったく一般的で、何のものでもないパンフレットのように読めます。直し方:反応させる具体的な材料を渡します。あなたの下書き、あなたの制約、あなた自身の文章です。あいまいな入力はあいまいな出力を確実に生みます。
  • 同意してくれる鏡。 なぜXはYより優れているのかと聞けば、Xを擁護します。あなたがそういう枠組みで聞いたからです。直し方:新しいメッセージで逆の問いを立て、両方の回答を並べて読んでから決めます。

同じ回答を2回直してもまだ外れているなら、言い換えるのはやめましょう。書き方の問題なら、たいてい2回の直しで解決します。4回目でモデル側の問題が解決することはめったにありません。そしてモデルは違う方向に失敗します。あるモデルは出典を作り、別のモデルは何も断言しない。あるモデルは温かく書き、別のモデルは何を言っても硬いままです。同じ文章を別のモデルに送るだけで、20分かけそうだった問題が5秒で片づくことがよくあります。別の提供元に無料アカウントを1つ持っておくだけでも用意する価値がありますし、Whiziはその切り替えを、月20ドルの2契約目ではなくプルダウン1つにしたものです。AIモデルの選び方ではまずどれに手を伸ばすかを扱っていますし、回答を直すのが当たり前になってきたら、初心者向けプロンプトガイドがこの直し方を繰り返し使える形に整えてくれます。

チェックリスト
  • 最初のメッセージは、キーワードではなく文章の依頼として書く。
  • その成果物が誰のためで、どのくらいの長さが欲しいかを伝える。
  • 日付、予算、経緯など、自分だけが知っている事実を書き添える。
  • 最初の回答は下書きだと考え、具体的な直しを1つだけ返信する。
  • 数字を信じる前に、回答のどの部分を補ったのかを聞く。
  • 自分らしい文章が必要なときは、自分で書いた段落を2つ貼り付ける。
  • 4回目の言い換えをする代わりに、同じ文章を別のモデルに送る。

よくある質問

ChatGPTに最初は何と話しかければいいですか?

テスト用の質問ではなく、その日の本物の用事を持ち込みましょう。返事が必要なメールや理解したい書類を貼り付けて、それをどうしてほしいのか、誰のためかを伝えます。「これをもっと短く、もっと親しみやすく書き直して。取引先に送ります」といった最初のメッセージが、どんな入門記事よりも30秒で多くを教えてくれます。

特に聞きたいことがないとき、AIに何を頼めばいいですか?

白紙を相手に投げ返しましょう。「[作りたいもの]を書く必要がありますが、始め方がわかりません。まず私に4つ質問して、そのあと下書きして」と打ちます。返ってくる質問は、たいていあなたがまだ決めていなかった判断です。計画づくり、選択肢の比較、気の重い話し合いの準備にも同じ手が使えます。

AIにはていねいに話しかける必要がありますか?

いいえ。お願いしますやありがとうはコストゼロですが、回答の質はほとんど変わりません。出力を実際に変えるのは具体性です。読み手、長さ、そしてあなただけが持っている事実です。「半分の長さに、数字は残して」のような素っ気ない指示でまったく問題ありません。

最初からやり直さずに悪い回答を直すには?

同じ会話の中で、直しを1つ返信します。チャットはあなたが話したことをすべて保持しているので、「かたすぎる、口で話すときの言い方にして」のような短い一言で、最初の依頼を繰り返さずに通じます。新しいチャットを始めると、せっかく打ち込んだ文脈を捨てることになります。

AIと話すのはGoogleで検索するのと違いますか?

違いますし、この2つを混同するのが初心者に最も多い失敗です。検索はキーワードを既存のページと照合するので、短い語句で機能します。チャットのモデルはあなたの状況に合わせて新しいものを作るので、文章と背景と明確な仕事が必要です。どこかのページにすでに答えがあるときは検索を、書いてほしい・比べてほしい・計画してほしい・自分の事情に合わせて説明してほしいときはチャットを使いましょう。