DeepSeekは2つある。プライバシーポリシーがあるのはその片方だけ
「DeepSeekは安全か」への答えのうち、ここから始まらないものは質問の半分にしか答えていない。DeepSeekは杭州の企業で、チャットアプリとAPIを運営している。同時に、誰でもダウンロードして動かせるオープンウェイトのモデル群も公開している。アプリにはプライバシーポリシーがある。ウェイトはただのファイルだ。
chat.deepseek.comやDeepSeekのスマホアプリに入力すれば、同社のポリシーが適用される。別のプロバイダ経由でDeepSeekのモデルを使う場合は、そのプロバイダのポリシーが適用され、企業としてのDeepSeekはリクエストを目にしない。違いはこれだけで、以下のすべてがここで決まる。
品質とコストの比較はDeepSeek vs ChatGPTにまとめてある。このページは安全性の側を扱い、報道ではなくポリシーの本文に基づいている。
アプリのポリシーが述べる収集内容と保存場所
DeepSeekのプライバシーポリシーは2026年2月10日に最終更新されたもので、2026年9月22日に確認した。保存場所についてははっきり書いている。"we directly collect, process and store your Personal Data in People's Republic of China."
ポリシーは収集項目を列挙している。まずアカウント情報で、メールアドレス、電話番号、ユーザー名、生年月日。次にやり取りの内容で、"text input, voice input, prompt, uploaded files, photos, feedback, chat history"とある。さらにIPアドレス、端末モデル、OS、識別子などの端末情報と、Cookieを含むネットワーク活動も取得する。"the features you use and the actions you take"という利用状況を記録し、IPアドレスからおおよその位置も把握する。音声や画像から声紋や顔認識のデータを抽出することはないと明記している。
学習については、ユーザーに"the right to opt-out of using your Personal Data for training our models or optimizing our technologies"があるとしている。初期設定がどうなっているかは明言していない。オプトアウトの権利が必要になるのは、初期状態でオンの場合だけだ。共有については、法律、法的手続き、政府の要請で必要だと誠実に判断した場合、同じデータを"law enforcement agencies, public authorities, copyright holders, or other third parties"に渡すことがある。保持期間は"for as long as necessary to provide our Services"で、アカウントのデータはアカウントが存在する間は残る。削除したアカウントは復元できない。
| 質問 | DeepSeekアプリ(ポリシーより) | 同じモデルをWhizi経由で(ポリシーより) |
|---|---|---|
| データの保存先 | 中華人民共和国 | CloudflareにあるWhizi自身のストレージ。処理はカナダと米国 |
| 収集されるもの | 入力内容、ファイル、チャット履歴、端末とネットワークの情報、おおよその位置 | 回答に必要なプロンプトとコンテキストのみ。OpenRouterと経由先のプロバイダに送られる |
| 入力内容での学習 | オプトアウトの権利があり、初期状態ではオンと読み取れる | Whiziはあなたのコンテンツで学習しない。APIトラフィックはプロバイダの学習から除外するフラグ付きで送られる |
| 誰が見られるか | DeepSeek、および政府の要請があった場合の法執行機関や公的機関 | OpenRouterと経由先のプロバイダ(そのプロバイダ自身のポリシーによる) |
| アップロードの保持 | "As long as necessary" | 最長30日で期限切れになるよう設定 |
右の列はWhiziのデータとプライバシーのページとプライバシーポリシーの記述を、その表現のまま載せたものだ。Whiziは、すべてのプロバイダが何も保持しないと主張しているわけではない。プロバイダが自社のポリシーの下で一時的なキャッシュを持つ場合があると明記している。
アプリは危ういのに、モデルは安全と言える理由
DeepSeekはモデルをオープンウェイトで公開している。学習済みモデルはダウンロードできるファイルで、他のホスティング事業者が自社のハードウェアで動かしている。そうした事業者へのリクエストは、その事業者のサーバーに届き、その事業者のポリシーに従い、DeepSeekのサーバーには回されない。モデルを学習させた企業は、そのリクエストと無関係だ。
オープンウェイトが重要なのはそのためだ。公用端末でのDeepSeekアプリの利用を制限した複数の政府は、モデルではなくデータの扱いを理由にしていた。ホスト型アプリを所在地(管轄)の面で不合格にするセキュリティ審査でも、同じウェイトを国内で動かせば合格しうる。
ウェイトとともに残る正直な限界が2つある。政治的に敏感な話題についてのコンテンツ制限は、一部がモデルに学習として組み込まれている。別の企業が提供しても完全には消えないので、政府の比較が絡む用途で頼る前に試してほしい。もう一つ、モデルの知識の期限と幻覚の発生率は、どこで動かしてもモデル自身のものだ。ホスティングで変わるのはデータを誰が見るかであり、回答がどれだけ間違うかではない。
Whiziでは、OpenRouterがDeepSeekの各行を経由先のプロバイダに振り分ける。各リクエストには、プロバイダの学習から除外するデータ収集フラグが付く。Whizi自体も、どのプランでもあなたのコンテンツで学習しない。WhiziでDeepSeekを使うのページに、対象の行、クレジット、プランごとの利用可否を載せている。
安さは本物で、安全な経路でも変わらない
アプリの問題があってもDeepSeekが使われるのは価格のためで、その価格はアプリに左右されない。2026年8月20日に確認したプロバイダ料金で、入力1,000トークン・出力500トークンの標準的な回答1回に換算すると、DeepSeek V3.2は$0.000469。DeepSeek V4 Flashは$0.00028、推論モデルのR1は$0.00195。同じ基準でGPT-5.6 Solは$0.01、Claude Opus 5は$0.0175だ。
Whiziはこの価格をそのまま反映している。DeepSeek V3.2は1メッセージ1クレジットで、標準モデルと同じ。R1は2クレジットだ。どちらも月額$29.99のProプランに含まれ(年払いなら月$19.99、年額$239.88)、GPT、Claude Sonnet、Gemini、Grokと並ぶ。V4 Flashも1クレジットだが、月額$49.99のPowerhouseにある。StarterではどのDeepSeekの行にも届かない。1,000回の回答あたり、DeepSeekの各行は$0.28から$2.97で、これはコストインデックスの数字だ。だから数学やコードでは、R1による安い推論ターンが妥当な初期設定になる。回答は検証できる。
どちらのDeepSeekを使っているかの見分け方と対処
アプリを使っているのは、アドレスがchat.deepseek.comである場合、アプリがスマホストアでDeepSeekの公開になっている場合、またはAPIキーをplatform.deepseek.comで取得した場合だ。そのポリシーが適用される。AIチャットに貼ってはいけないもののルールは例外なく当てはまる。私的な内容、顧客との契約下にある内容、他人のデータを含むファイルは入れない。
モデルを使っているのは、別の製品がモデル選択欄にDeepSeekを載せ、自社のプロバイダや経由レイヤーを明示している場合だ。その場合は、その製品のポリシーを読む。読み方のチェックリストはサードパーティのAIサブスクリプションは安全かにある。
DeepSeekのアプリはレシピ相談には十分でも、契約書には向かない。自分の管轄内で提供されるDeepSeekのモデルは、提供する企業と同じだけ安全だ。しかも、ほかのほとんどの選択肢より安い。
- アドレスか公開元を確認する。chat.deepseek.comとDeepSeekアプリは、中国にある同社のサーバーにつながる
- アプリに入力した内容は、中国に保存され、オプトアウトしない限り学習に使われうるものとして扱う
- 私的な内容には、自分の管轄内のプロバイダ経由でモデルを使う
- 政治的な話題や比較の話題は、頼る前に試す。一部の制限は学習で組み込まれている
- コストの利点を活かす。WhiziのProでは、DeepSeek V3.2は標準モデルと同じ1メッセージ1クレジット
よくある質問
DeepSeekは安全に使えるか。
アプリは私的な内容には安全ではない。DeepSeekのポリシーでは個人データを中華人民共和国で保存し、入力内容、アップロードしたファイル、チャット履歴、端末情報、おおよその位置を収集し、学習からのオプトアウトの権利を設けている。モデルはオープンウェイトで、別のプロバイダ経由ならリクエストはそのプロバイダに届き、DeepSeekには届かない。
DeepSeekはデータを中国に送るのか。
アプリと同社のAPIは送る。ポリシーには"we directly collect, process and store your Personal Data in People's Republic of China."とある。別のプロバイダ経由のDeepSeekモデルは、DeepSeekには何も送らない。リクエストはそのプロバイダのポリシーの下に届く。
DeepSeekはChatGPTより安全か。
DeepSeekのアプリはそうではない。データは中国に保存され、学習は初期状態でオフではなくオプトアウトの権利が用意されている。消費者向けChatGPTも初期状態で学習に使いオプトアウトできるが、データは米国の管轄下で保存される。Whiziのように、あなたのコンテンツで学習しないワークスペース経由のDeepSeekモデルは、別の比較になる。リクエストを左右するのは経由先プロバイダのポリシーで、DeepSeekのものではない。
アプリを使わずにDeepSeekを使うには。
オープンウェイトを自社のプロバイダから提供している製品を使う。WhiziのProプランでは、DeepSeek V3.2が1メッセージ1クレジット、R1が2クレジットで、V4 FlashはPowerhouseで1クレジットだ。OpenRouterが、リクエストをプロバイダの学習から除外するフラグ付きでプロバイダに振り分ける。Whiziはあなたのコンテンツで学習しない。
DeepSeekは本当にそんなに安いのか。
モデルの水準では本当だ。2026年8月20日に確認したプロバイダ料金で、標準的な回答1回はDeepSeek V3.2が$0.000469、GPT-5.6 Solが$0.01、Claude Opus 5が$0.0175で、それぞれおよそ20分の1と40分の1にあたる。価格はモデルのものなので、米国のプロバイダ経由で提供されても変わらない。